立秋が過ぎ、相変わらずの酷暑が続いていますが、時折、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」(古今集 藤原敏行)の句を感じさせる心地よい風が街中を駆け抜け、季節の移り変わりも感じさせます。
今回8月10日例会の「歴史案内人」は歴史部会の代表世話人でもある林馨さん(70理工)。テーマは「古墳から律令へ―日本国の礎」で、古墳の成立から、国家の基礎となった大宝律令までの古代史に焦点を当て、中国王朝の興亡などをからませながら解題を進めました。
古墳は大山古墳(伝仁徳天皇陵)など近畿圏が中心ではありますが、実は古墳数では千葉県が最も多いことなどが意外な事実が紹介され、出席者の関心を引いていきました。朝鮮半島からの渡来人が、馬や鉄、漢字など当時の最先端の技術や文化を倭国に伝え、飛鳥以降の歴史に多大な影響を与えたことなどにも言及し、古代史のロマンをかきたてていきました。
後半は、乙巳の変(大化の改新)、壬申の乱、大宝律令といった馴染み深いテーマが取り上げられました。参加者からは従来の通説と異なる見方も紹介され、活発な議論の中、解題が終了しました。
この後、秋の催しに議題が移り、10月に防衛省・自衛隊の「市ケ谷台ツアー」、紅葉の11月には「山中城散策」(三島市)の実施が了承されました。希望者を対象に地元の海鮮料理や和食を味わう懇親会の企画も報告がありました。例会後には有志がランチを楽しみ、それぞれの近況を交換し合いました。
歴史部会は原則、毎週第二土曜日午前、三軒茶屋で開かれます。歴史に少しでも関心があれば、聴講だけでも歓迎です。林さん(k.hayashi@pm-ms.jp)までご連絡下さい。
次回は9月14日、「水産業の歴史」担当 西川正敏さん(69商)です。
(藤方聡美/記)