
釣瓶落としの季節となりました。一カ月前の酷暑が噓のようです。一カ月後にはもう「年末年始」に。時の過ぎる速さを感じます。
秋の晴天の元、いつもの三軒茶屋で12日午前、例会が催されました。今回の「歴史案内人」はベテランの上野俊夫さん(65商学)で、テーマは「終戦とマッカーサーの戦後政策」。激動の歴史のうねりをテンポ良く解題していきました。
米英ソ首脳による「ヤルタ会談」(45年2月)が、「ポツダム宣言」(7月)、日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連軍参戦(8月)などに多大な影響を与えたことを指摘し、続く、昭和天皇による終戦の「聖断」、連合国最高司令官マッカーサー元帥率いる連合軍の進駐、相模湾に停泊の米戦艦ミズーリ号での降伏文書調印など複雑に入り込んだ歴史的事実を整理しながら紹介していきました。連合国総司令部(GHQ)による五大改革の一つ「農地改革」では、ご自身の経験も話しながら解説し、会員の関心を巧みに誘っていきました。
質疑応答では、「どうして東京大空襲を実施した米軍人に日本の勲章をあげるのか」など活発な発言が相次ぎ、持ち時間の二時間があっという間に過ぎていきました。個人的にはポツダムもヤルタ(当時はロシアの侵攻前で、ウクライナ領だった!)も訪れたことがあり、往事を懐かしく思い起こされました。
今月は例会のほか、防衛省・市ケ谷台ツアーの企画もあり、来月には豊臣秀吉による小田原攻めで落城した後北条氏の「山中城跡」(静岡県三島市)の散策も予定されています。
歴史に少しでも関心のある方は、世話人代表でもある林馨さん(70理工)までご連絡ください。話を聞くだけでも大歓迎です。原則、例会は毎月第二土曜日三軒茶屋であります。発表以外にも歴史にまつわる散策、食事会なども随時、企画しています。
(藤方聡美/記)