歴史部会 6月例会(2025年)

歴史部会

 6月例会は14日に、過去の歴史と言うよりまさに今アメリカが世界が抱える問題『現代アメリカの保守主義とトランプ主義⁻ナチズムとの比較』のテーマで、藤方聡美さん(1991社会科学・西北会)担当で開催しました。

 「トランプは病因ではない。病状なのだ。原因ではない。結果なのだ。」
元々は共和党の支持基盤はアイビーリーグを出て大企業に勤めロータリークラブに入会した白人エリート層でした。しかし70年代から加速した米国経済の構造変化から製造業が海外に移転、国内はサービス業が主体となると製造業雇用が数百万単位で失われ労働組合が崩壊していく中で、共和党は労働者層、特に白人低学歴の労働者層に浸透していきます。

 トランプ氏の主張の根底は、①経済的ナショナリズム(反自由主義)②国境管理(移民排斥を含む)③「アメリカ・ファースト」外交(孤立主義)、という事です。「家族」が崩壊し、(低学歴)労働者は貧困にあえぐ中、富裕層のエリートは彼らを踏み台にして繫栄している。LGBTや女性の権利拡大、環境保護などはエリートの世界の話、今大事なのはまともな生活ができることだ。

 思想が右だ左だではなく、富裕か貧困かの上下の分断が今のアメリカの問題なのです。そう考えれば、トランプ氏の主張も理解できなくも有りません(勿論「いきなり言われてもね~え」と言う気持ちは強いですが)。

 一方、これらトランプ氏の主張の裏には、ナチズムに似た危険性も孕んでいます。

 今後の予定は7月12日「日米交渉の真実」、8月9日「名前の歴史」で、(原則)以降毎週第二土曜日9時40分から開催しています。

(林 馨 記)       

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