地域サポート活動部会 2017年活動報告

地域サポート活動部会

 地域サポート活動部会は社会貢献を目的として募金活動を行っています。29年度も納涼会でのバザーなどを通じ約20万円のご寄付が集まりました。この寄付金は、毎年、社会的な支援活動を行っている様々な施設、団体に寄付しています。

 29年度は、検討の結果、一般財団法人「重い病気を持つ子どもと家族を支える財団」(キッズファム財団)に20万円の寄付をいたしました。同財団は重い病気を持つ子どもと家族への支援の輪を広げる活動をしています。詳細は会報67号でも紹介しましたが、日本で初めての医療型短期滞在施設「もみじの家」を世田谷区に設立、運営しています。世田谷稲門会会員のなかにはこの運営にボランティアとして関わっている方もおられます。
 まだ社会全体の支援体制が十分ではないなか、国や自治体に先駆けてこのような活動に取り組んでいる同財団に深い敬意と賛意を表します。僅かな支援ではありますが、活動の一助となることを願っています。財団からはご丁寧な礼状をいただきました。合わせてご報告いたします。

(篠崎 章子/記)

 先日、【重い病気を持つ子どもと家族を支える財団(キッズファム財団)】の石井由美子理事のお話を聞く機会を得、また、同財団主催の公開シンポジウム『すべての子供を育む社会を目指して』を聴講いたしました。
 難病の子供たちも最近の医学の進歩により多くの命が助けられるようになっていますが、全てが普通に生きていけるわけではなく、人工呼吸・喀痰吸引などの医療ケアが必要な子どもたちは全国で17000人以上、そのケア作業は殆ど家族がせざるを得ないのが現状です。24時間365日、目が離せない子供達へのケアに、家族の皆さんの負担は計り知れないものでしょう。そんな子供たちと家族の為に交流の場・安らぎの場を作ろう、という思いから医療型短期療養施設「もみじの家」が世田谷の国立成育医療研究センター内に一昨年6月に設立されました。この財団では、もみじの家利用者をはじめとするそんな子どもたちと家族を支援する活動をされています。

 シンポジウムには、医療ケアが必要な子どもたちとご家族も参加されていました。様々な医療機器の
ついたベビーカー状の手押し車に乗った子供、そして絶え間なく尽くされているご家族。傍らではおねえちゃんが動けない弟をやさしく撫でたり、お父さんの手で無心にミルクを飲む健常者であろう妹。私にとっては非日常的な光景ですが、そのご家族にはこれが普通の生活なのです。

 医療ケアが必要な子どもは、病院から出た時から家族による絶え間ない医療ケアと、命の危険が待ち
構えています。それでも我が子だから、家族だから、傍にいてほしい、一緒に暮らしたい。でも時には
ほっと一息つけるもみじの家に行きたい。

 子供たちにとって教育は生きることの次に重要な事です。知識だけでなく同世代の子供と過ごして社会性を身に着けていき、人間としても成長していく。ベッドから起きられない子供が「私が大きくなってお母さんになったら…」と言っていました。何とか周りの力で生かされている可哀そうな子供ではなく、一人の人間として生きているのです。

 「眼鏡が無いと生活できない人がいるのと同じように、人工呼吸器が無いと生活できない人がいる」と言う事なのです。多様性を認め様々な障害を背負った人たちも普通に暮らして行ける社会、それがこの財団の目指すところであり、私たちはそのような社会にしていかなければいけないと強く感じました。
 会員の皆様からお預かりした募金残額は、寄付分を差引き、2月16日現在合計 612,352円となっております。

(林 馨/記)

 地域サポート活動部会では、ほぼ毎月例会を開いています。話題はやはり子供たちの貧困の事、行政の支援、こども食堂のような民間ボランティアの活動等々、時には脱線する事も有りますが…。私たちにできることは何なのか、何が本当に貧困に苦しむ子供たちの役に立つのか、それが一番の問題点と思っています。
 子供たちにとっての問題は、単に金銭的な事には限りません。きちんとした家はあるけど、学校から
帰っても親は不在、お金が置いてあってそれで夕食を食べなさいというのは幼い心を荒ませる大きな
要因となる恐れがあります。勿論片親であれば当然親は働かなくてはいけませんし、金銭的にも苦しくなります。
 「学校が終わってから親が帰ってくるまでの間」と言うのが、一つのポイントです。こども食堂『みっと』では、ボランティアの学生さんたちが一緒に遊んだり、勉強を見たりしています。私たちにできることは…例えば〔読み聞かせ〕:面白そうな話を子供たちに読んで聞かせる。
 〔夏休みの工作〕:キットで売っているものではなく手作りの部品材料で工作をする…等々。皆様からお預かりしたお金を有効に使うのは勿論ですが、お金以外にも何かできることは無いか、考えています。
 なお、募金残額は寄付分を差引き、10月16日現在合計 555,128円となっております。

(林  馨/記)

 地域サポート活動部会は、世田谷稲門会の会員の皆さまからの暖かいご寄付をプールし、地域の課題解決に向けて活動しているグループを支援させていただいています。今年度は、赤堤3丁目(世田谷線松原駅前)の商店街のなかのレンタルスペースで開催されている「せたがや子ども食堂・みっと」を支援することになりました。
 この「子ども食堂・みっと」は、部会の一員でもあるけやき会の井上が、友人や地域の活動団体と協力して開いているものです。子どもの6人に1人が貧困状態にあるといわれるなか、子どもがひとりでも来られる食堂として、平成27年11月にスタートしました。月に第2、第4の木曜日、3時から8時まで開いています。子どもは無料、大人は300円をいただきます。

 毎食平均15~20食とボランティアさん(日大の学生さん)、スタッフ分で30食程度を作ります。栄養のバランスや、季節を感じさせる献立を心がけ、進級・進学などのお祝い膳も考えています。このたび、機能満載のブレンダーとスープクッカーをプレゼントしていただきました。ますますメニューも幅広くなるとスタッフ一同(みっと)大感激!早速、スープクッカーを使ってミネストローネスープを作りました。野菜が苦手な子が多いのですが、このスープはみんな大好きです。お鍋のように煮詰まらないし、あつあつで出せるのでとても喜ばれました。
 これも皆さまからのご寄付のおかげと感謝しております。

 今後とも世田谷の子どもたちのために、暖かいご支援をよろしくお願いいたします。                                   

(井上 文/記)

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