世田谷区の南西側を国分寺から二子玉川まで流れる野川を紹介しよう。
東急田園都市線二子玉川駅のホームから北側を眺めると、ちょうど目の前に左に多摩川、右に野川が見える。ホームの下が合流地点だ。今回は二子玉川駅から野川を遡上してみよう。
二子玉川駅から多摩堤通りを越えて多摩川の河原に降りてゆくと、広場や野球場がある。野球場を左に見ながら土手の遊歩道を歩くと、野川の両側が遊歩道になっており、よく整備されている。しばらく遊歩道を遡上すると鎌田あたりで右側から仙川が合流してくる。さらに歩を進めると高速道路の工事で遊歩道が途切れる部分があるが、概ね川沿いに歩くことができる。左側が喜多見、右側が成城である。このあたりで世田谷区とはお別れし、調布市に入る。
野川の特徴は川中に自生する豊富な植物群だ。そのため程よく自然が保たれており多くの虫や魚や鳥たちが生息している。運が良ければ「アオサギ」などの大型の鳥にもお目にかかれる。柴崎近くで京王線の陸橋をくぐるあたりから川中の土の部分が多くなってくる。1か所遊歩道が完全に途切れる部分があるので注意が必要だ。これから先は川中の小路を歩くこともできる部分があるが、川に落ちないよう、増水の危険があるときはやめておこう。
調布を抜け、右手に国立天文台、左手に調布飛行場を見ながら、やがて野川公園に入る。公園内の野川はフラットでまさに小川である。さらに進むと武蔵野公園に入る。公園を過ぎて国分寺市街地に入る手前あたりで野川の左右の遊歩道がなくなり、野川自体も市街地の間を通る水路の様相を呈してくる。野川の源流はJR国分寺駅を過ぎた先に位置している。約18km、4時間程度の行程である。足に自信のある方は完歩を挑戦されてはいかがですか。
(榎並 俊一/記)