さくら句会【第百四十六回】
平成三十年十二月十七日
於:桜新町区民集会所第二会議室
十二月の句会は、八名の参加者、二名の投句により兼題の『山眠る』と自由句二句を持ち寄り行われました。
披講 富塚兆弥(俳号・兆弥)
(特選三) 五 満天の星掬ふかに枯けやき まもる
(特選一) 四 肩を見せ出を待つ畑の大根かな みづほ
(特選二) 三 大いなる繭の姿に山眠る 雪子
三 ポインセチア赤を極めて売られけり 雪子
(特選二) 三 登り窯炎を吐いて山眠る まもる
二 軽トラに野菜売る市山眠る 広
二 湖に姿映して山眠る 兆弥
二 金箔の天守きらりと冬入日 利水
二 病院の窓に聖樹の光あり 兆弥
二 平成を惜しみて咲くや冬桜 利水
二 人去りし夜の運河やおでん酒 広
一 眠る山辿りて単線奥まりぬ 勝
一 山眠る阿修羅の像と別れきて みづほ
一 葉ぼたんの三本抱へ訪ねけり 勝
一 綿入を出して戌年終わりけり 恵那
一 里を出て親が焼かれる山眠る 上馬の
一 老眼鏡に息吹きかけて十二月 恵那
一 腹にしむ熱きひつつみ山眠る 広
一 脳天に透明に抜け冬匂ふ 勝
一 報恩講沙汰来るゆえ門徒なり 牧羊
一 もたいなや空き家にひかるななかまど 上馬の
裏道の血痕見付け小鳥来る 上馬の
吹き荒ぶ寝息と共に山眠る 利水
野良の三毛姿を見せぬ年の暮 兆弥
湯煙や日向に消える銀世界 牧羊
鎮守から眠る山へと田んぼ道 牧羊
右に見る唐松林冬の旅 みづほ
故郷のなき都会人山眠る 恵那
吹き溜る桜落葉のかをりけり まもる
母に似た爪を切りけり日短 雪子
さくら句会【第百四十五回】
平成三十年十一月二十六日
於:桜新町区民集会所
十一月の句会は、十名の参加者、二名の投句により兼題の『時雨』と自由句二句を持ち寄り行われました。
披講 江原利次(俳号・利水)
(特選二) 六 まっすぐな野良の煙や冬日和 兆弥
(特選二) 五 冬日影庭師の鋏ひびきけり 雪子
(特選一) 四 少年の背にバイオリン冬に入る 雪子
(特選一) 三 小春日や九九がこだます通学路 牧羊
三 初時雨提げし鞄を被きたる 広
(特選二) 三 しぐるるや葉先の小虫ぽとり落つ 利水
二 しぐるるやただ飄々と生きている 恵那
二 下京に夫婦箸買ふ時雨かな 広
二 姥捨ての伝へを聞けり初時雨 雪子
一 古酒新酒会津八一の歌を知る 上馬の
(特選一) 一 子規庵の屋根に音する時雨かな 兆弥
一 傘二つ時雨の四条河原かな たか二
一 砂時計待つ間の釣瓶落しかな まもる
一 時雨るるや明り取りより灯の洩れて みづほ
一 縁側に妻とふたりの日向ぼこ たか二
一 酒交わす友の目減りや去年今年 恵那
一 宿庭の洞ある大樹返り花 みづほ
(特選一) 一 石蕗の花は蹴るまい下山道 牧羊
一 谷の夕時雨に遠き由比ヶ浜 勝
一 糟糠の妻小走りの夕時雨 上馬の
一 七五三父は皺なす仕事着で たか二
一 枯芒ボーッと生きていたいだけ 恵那
一 鹿鳴くを枕べに聞く奥嵯峨野 みづほ
一 軒下の時雨の匂い人恋し 牧羊
一 吹き溜る桜落葉の香けり まもる
一 愛犬も揃いのマフラー冬に入る 利水
一 木枯や背に盾とせりランドセル 勝
一 神宮の人影まばら神無月 晃子
一 都大路走者の頬に時雨かな 広
拾ひたる団栗入れてお手玉に 晃子
柚子の実や熱海の坂の湯浴とき 勝
時雨傘子等につられて開きけり 利水
しぐるるや君に傘さす人は誰 上馬の
ゆったりと湯船にひたる小夜しぐれ まもる
夕暮の地蔵の肩に初しぐれ 晃子
ふるさとの土のかをりの大根かな 兆弥
さくら句会[第百四十四回]
平成三十年十月二十二日
於:桜新町区民集会所
十月の句会は、九名の参加者、一名の投句により兼題の『紅葉』と自由句二句を持ち寄り行われました。
津島晃一さんの俳号は牧洋でなく牧羊でした。訂正します。
披講 荒居隆二(俳号・たか二)
四 十月の浜に拾へり色ガラス 雪子
(特選一) 四 靴音の乾く木道草紅葉 牧羊
(特選一) 三 白壁のカフェを被ひし蔦紅葉 晃子
(特選二) 三 秋の暮子を呼ぶ声の尖りたり 牧羊
三 斑鳩や風の抜け道こぼれ萩 みづほ
(特選一) 三 ゴンドラや紅葉の中へ点となり 利水
二 はぜうるし薄紅葉して九品仏 まもる
(特選一) 二 花入れの秋明菊や名残りの茶 兆弥
二 とび出して鞄ひとつの沙魚日和 上馬の
二 雨上がる金木犀の香の満ちて 晃子
二 ハーブティ熱めに淹れて寒露けふ まもる
(特選一) 二 照紅葉入れて婚礼写真かな 雪子
二 速足で六合目まで初紅葉 恵那
二 長き夜の灯はひとつ壁に影 上馬の
一 赤々と三千院の庭紅葉 兆弥
一 秋深し大僧正の読経聴く たか二
一 明日香路や陸稲刈する若き僧 たか二
一 稲穂波弥彦山角田山のふもとまで 雪子
一 色づきし姥捨山の紅葉かな 利水
(特選一) 一 紅葉焚く道は甲斐より信濃へと たか二
一 松が枝を射貫く弦月山の闇 牧羊
(特選一) 一 うす墨に茜色さす秋の空 晃子
一 照る紅葉廃屋の壁いと白し 利水
親子去りベンチに残る散り紅葉 みづほ
紅葉かつ散りて日暮里教会堂 上馬の
会報誌転居先不明秋の雲 恵那
兎追いしかの山遠く月哀し 恵那
小鳥来て木の実啄む朝かな 兆弥
手を合はす紅葉明かりの阿弥陀堂 まもる
小鳥来る后後の散歩を楽しめり みづほ
さくら句会[第百四十三回]
平成三十年九月二十四日
於:桜新町区民集会所
九月の句会は、十一名の参加者、一名の投句により兼題の『流星』と自由句二句を持ち寄り行われました。
今回より津島晃一(俳号・牧洋)さんが参加されました。
披講 矢後勝洋(俳号・広)
(特選二) 五 箒もてそつと掃き出すちちろ虫 まもる
(特選二) 四 月出でり六曲一双の松木立 勝
(特選二) 四 流星群富士の稜線削るかに 雪子
三 流星や断罪されし帷幄の将 広
三 八十路入り願ふに速き流れ星 利水
三 密雲を衝いて花野へ駆け降りる 牧洋
三 屋上は都会の孤島星流る まもる
(特選一) 三 新涼やふと見つけたるトリスバー たか二
三 スケボーがくるり切り取る秋の空 雪子
三 観音の里さわがせて芋水車 雪子
二 三歩にありて一歩に止みぬ虫の声 勝
二 他人事やなんだかんだで温め酒 恵那
二 晩節へ音する骨や流れ星 恵那
(特選一) 二 流れ星蒲柳の質の祖母ありき 牧洋
一 色町の祭の中の酒三斗 上馬の
一 いい人の魂はこぶ流れ星 上馬の
一 コスモスの地を這ふごとく風に揺れ 晃子
一 秋天やパンパス・グラス輝けり みづほ
一 衣被四つずつよと妻置きぬ たか二
(特選一) 一 足元に猫横たはる秋の夜 兆弥
一 玉砕のはなしに沈む秋彼岸 上馬の
一 虫の音を聞きつ無事なる日を綴る みづほ
(特選一) 一 流れ星富士より伊豆の海辺まで たか二
一 山あいの小さき茶寮や新走り 恵那
一 流れ星願ひをかけて他言せず みづほ
(特選一) 一 無音の闇広ごる草原流れ星 広
流れ星確かにネオンかすめけり 勝
夜の駅梨売る娘等の声高し 晃子
大空を六尺照らし星流る 利水
曼珠沙華川の畔のシツダルタ 牧洋
しみじみとちちはは想ふ秋彼岸 まもる
どんぴしゃに精霊迎ふ彼岸花 利水
願ふこと健康一つ流れ星 晃子
露天湯に見下ろす湖や雁の声 広
鈴虫の音にはれて近付けり 兆弥
ひと筋の光遺して流れ星 兆弥
さくら句会[第百四十二回]
平成三十年八月二十七日
於:桜新町区民集会所
七月の句会は、七名の参加者、三名の投句により、兼題の『八月尽』と自由句を持ち寄り行われました。 披講 家入雪子
五 もう会へぬと去りし友の背白木槿 たか二
(特選一) 三 朝顔の二輪咲き初む空の色 晃子
(特選一) 三 八月尽戦後がじわり揮発する 恵那
(特選一) 三 馴れし靴履きて遠出や秋に入る みづほ
(特選一) 三 触れゆける立秋の風二の腕に みづほ
二 ろうそくの消えて百物語終へ たか二
二 こほろぎの息を短く鳴き初むる まもる
(特選一) 二 ラジカセが語り部となり原爆忌 恵那
二 宿題のノート重ねて八月尽 兆弥
一 ツクツクの追い立てる夕八月尽 勝
一 金足のその名知らしめ八月尽 まもる
一 ちらほらと男の日傘銀座かな 雪子
一 手濯ぎや馴染みし浴衣藍の褪せ 勝
一 死者の手の海に揺らめく盆の頃 広
一 縁談の行方気になる夏薊 上馬の
(特選一) 一 遅撒きの朝顔けさの双葉かな 勝
一 色あせし母の形見の秋扇 晃子
一 忠魂碑の長き沈黙八月尽 雪子
(特選一) 一 かなかなや命惜しみて真夜も啼く まもる
新しきリーダー出でよ沖縄忌 恵那
風鈴や江戸がだんだん野暮になる 上馬の
苦も楽も憂ひもありぬ八月尽 たか二
熱き砂バレーの少女汗飛ばす 広
湘南の松風の中蝉時雨 兆弥
温度計うなぎ登りの八月尽 晃子
いつかしらこの悲しみの八月尽 上馬の
校庭の海原めきて八月尽 みづほ
三伏や住む人のなき家の冷え 雪子
兄逝きてはや一年の墓参かな 兆弥
狂ほしき熱波と雨と八月尽 広
さくら句会[第百四十二回]
平成三十年七月二十三日
於:桜新町区民集会所
七月の句会は、九名の参加者、二名の投句により、兼題の『炎昼』と自由句を持ち寄り行われました。 披講 北岡みづほ
五 橋ひとつ流れゆくなり夏出水 雪子
(特選一) 四 昼顔や千歩に足りぬ万歩計 勝
(特選二) 四 決断のまたも変わりし溽暑かな たか二
四 乳母車双子揃ひの夏帽子 兆弥
(特選二) 三 異国語の飛び交ふ街や蝉時雨 兆弥
(特選一) 三 降り初めし雨のにほひも網戸越し 雪子
三 炎昼や並ぶ喪服の送りびと 広
三 夏の陽の乱反射する丸の内 たか二
二 炎昼へふんどし締めて挑みをり 利水
(特選一) 二 網棚の二つ並びし夏帽子 晃子
(特選一) 二 炎昼や川の中州の死者の声 上馬の
一 かき氷脳天昇天銀河系 恵那
一 けもの道夏野の中へ消え失せぬ 利水
一 かなかなや第九を歌ふ下稽古 広
(特選一) 一 炎昼の田に手鼻擤む媼かな たか二
一 百日紅いつもどこかが揺れてをり まもる
一 炎昼や街路樹の影バス待てり 晃子
一 沢音や湯湧の宿の岩魚酒 晃子
一 炎昼やひとり無口で歩を運ぶ 兆弥
一 電柱の陰にバス待つ夏真昼 まもる
一 炎昼や影なき渋谷交差点 勝
信号を待つ炎昼の小蔭かな 雪子
炎帝に負けぬ嬌声ウォーターシュート みづほ
炎昼や渋谷駅前の喫茶店 恵那
カンナ咲く水煙空に雲を置き みづほ
朝床の隣に問へばひやさうめん 上馬の
炎昼や自販機の水ラッパ飲み まもる
もてあます夏の日ありき青いとき 勝
子らのベロ信号機なりかき氷 恵那
サマードレス肩のほくろのとび出す みづほ
炎昼や結び直せし靴の紐 広
夏昼間シャツター通りを口開けて 上馬の
テレビ付く檻から眺む猛暑かな 利水
さくら句会[第百四十回]
平成三十年六月二十五日
於:桜新町区民集会所
五月の句会は、九名の参加者、二名の投句により、兼題の『黴』と自由句を持ち寄り行われました。 披講 榎並 恵那
(特選三) 六 退職の夫の鞄のはや黴ぬ 雪子
(特選一) 五 鬢付けと黴のにほいの村芝居 利水
(特選二) 四 花ざくろ雨の舗道に朱をこぼす まもる
四 夕立や子らひしめける閻魔堂 雪子
(特選一) 四 黴の香や少年メロス走りきる 勝
(特選一) 三 傾きし殻そのままに蝸牛 兆弥
二 青田風庫裏へと抜ける尼が寺 雪子
二 カウベルの音色聞きつつ行く夏野 晃子
一 額紫陽花はじけていたり雨の中 みずほ
一 耄碌と言はれし宵や五月雨るる たか二
一 学園にはびこる黴や錬金術 恵那
一 梅雨晴れや時告ぐ鐘の音高し 利水
一 水滴のひとすじを引きサクランボ みずほ
一 夕顔や頭痛のをんな眉皺め 広
一 看護師のひとり水色更衣 たか二
一 タックルの波紋の果てに戻り梅雨 恵那
(特選一) 一 黒南風や旅のカバンに小傘入れ 晃子
一 柔き風戸口過ぎけりどぜう汁 勝
一 見学の地下に黴の香してきたり みずほ
一 青かびのチーズ肴に飲むワイン まもる
一 長雨の消えて久しき青嵐 上馬の
一 黴残し孫独立し家を出る たか二
一 書庫の戸を開ければほのか黴匂ふ 晃子
黴くさき図書舘の書架資本論 広
屋根裏の人おどろかす夏至の雨 上馬の
雨の日々昼顔小出しに咲いてをり 勝
座布団のカバーも替えて更衣 まもる
再婚の神前結婚黴煙 上馬の
ハスキーな野良の鳴き声木下闇 兆弥
人と黴美女も悪女もおはします 利水
新子うまし握る親父の小兵なる 広
海凪ぐや役に立つ黴たたぬ黴 恵那
大笑ひ豆腐に黴の落語かな 兆弥
さくら句会[第百三十九回]
平成三十年五月二十八日
於:桜新町区民集会所
五月の句会は、十名の参加者、一名の投句により、兼題の『青梅』と自由句を持ち寄り行われました。
披講 暮田 忠雄
五 うしろ手に髪編む乙女夏来る まもる
五 抽出しの奥に波音桜貝 みづほ
四 大藤の風を遊ばす日暮かな 雪子
四 青梅や青年罪を語りたる 雪子
三 乾く音退いてはかへす麦の秋 みづほ
三 白波の寄せるが如く山法師 兆弥
三 太郎あれば次郎のほしき鯉幟 広
二 青梅や破れし恋をなつかしむ まもる
二 五月雨や句碑の文字の見え隠れ 晃子
二 短夜やさなくも夢の減りしこと 勝
二 しずかなる絵のやふに梅実りをり みづほ
二 青梅の一粒落ちぬ雨予報 勝
二 落梅のかそけき音や夜の庭 広
二 青梅や疎開の寺の納所裏 たか二
一 風の道水面に見へて菖蒲池 勝
一 夢の跡覆ひ隠して草茂る 利水
一 のぼりつめ宙を掻きをり天道虫 まもる
一 竹籠に並ぶ青梅うすみどり 兆弥
一 風が通り過ぐ実梅に塩の染む 恵那
一 青嵐富士の頂なほ白く たか二
一 キッチンの実梅香りし夜更かな 晃子
一 夏めくやあしたの風は南南東 恵
一 角ごとに鳳凰傾ぐ子ども山車 雪子
閑かさや噴水光る夜のしじま 上馬の
青梅よ琥珀の水となりたまえ 恵那
釣堀や鳳凰三山ひとりじめ たか二
木の下の闇に光を神の声 上馬の
過疎の村改札出れば麦の秋 晃子
青梅のいよいよ青く枝たわわ 利水
相合傘信号待てる青葉かな 広
窓越しの花あれこれと夏に入る 利水
青梅や無痛中絶合法化 上馬の
海棠を植ゑて俄の雨の降る 兆弥
さくら句会[第百三十八回]
平成三十年四月二十
於:桜新町区民集会所
四月の句会は、十名の参加者、一名の投句により、兼題の『蝶』と自由句を持ち寄り行われました。
披講 田中 勝
六 春灯や皿の絵うかぶ薄造り 雪子
五 生れし蝶風の誘ひを待ちて翔つ まもる
四 ぼうたんを支える茎の細さかな 兆弥
三 飛ぶ影をもたぬてふてふ見失ふ みづほ
三 翡翠の一矢待たるるしじまかな 利水
三 軍港を横切る胡蝶ありにけり 上馬の
三 煌めける烏賊釣の灯や沖の春 勝
三 稜線の碧に溶け込む蝶高し 勝
二 山桜棚田の土の黒さかな 晃子
二 天守閣修復なれり樟若葉 雪子
二 球場の蝶舞ふところ応援歌 上馬の
二 蝶飛ぶや遮断機の下くぐり抜け 晃子
二 すれちがふ人のほほ笑む花の下 まもる
二 竹藪の葉擦れ背に聞く青嵐 みづほ
一 初蝶の羽やすめをり石の上 雪子
一 舞ふ翅のゆるくせはしく蝶の恋 利水
一 思惑に翻弄されて残る花 恵那
一 空のあお山のみどりに胡蝶かな 恵那
一 注がれて目を伏せたまふ甘茶仏 まもる
一 このころの牧青ければ仔馬生る 上馬の
一 火の山の怪しき鼓動雪解川 広
一 新緑やペンキ塗り立てすべり台 利水
行く春や銀座の路地にシャンソンの たか二
初蝶や楽しみつづる雑記帖 広
蝶の舞ふ屋上花壇丸の内 たか二
山さくら森閑と散り夕間近 勝
葉桜を眺め川辺のコーヒー店 みづほ
眠られぬ夜空に白き花みずき たか二
葉桜や子規の住みたる長命寺 兆弥
おみくじや結ぶ小枝の風光る 晃子
長堤に人影まばら桜蕊降る 恵那
教会へ近道登る躑躅かな 広
春の蝶韃靼海峡渡り来る 兆弥