俳句部会 2023年活動報告

俳句部会

さくら句会(第二百四回)2023年12月25日   

於 桜新町区民集会場2階第一会議室

12月の句会は、6名の参加と3名の欠席投句により兼題の「クリスマス・聖夜ほか」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。
   
披講 榎並恵那
【参加者】恵那、雪子、勝、まもる、兆弥、牧羊、
【投句参加】利水、広、英仙(九名)

【お知らせ】
一月の兼題は「餅」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当季雑詠です。
一月の句会は一月二十二日(月)午後一時から三時まで桜新町区民集会場二階第一会議室で開催します。

(四点句)
凍蝶の触れても覚めぬ深眠り     まもる
ノーサイドは明日への一歩初景色   恵那

(三点句)
ポイントはユニセフへ寄付クリスマス 雪子
戦なく飢えなき今日のクリスマス   まもる
義士の日や辞世の軸の茶会席     利水

(二点句)
木枯しの行方は知れず大都会     勝
枯木立透けて落ちゆく日の早し    まもる
雑煮食ふ和服の妻の肩細し      広
卓上の小さきツリーのクリスマス   兆弥
アイヌ語の名を持つ山も眠りをり   雪子
踵包む良き靴はけば冬うらら     広
街路樹に満天星の聖夜かな      利水

(一点句)
救世軍の父と歌ひし主は来ませり 広
湯豆腐やひとつの箸に嬰と爺(じじ)   雪子
年惜しむ句会に故人生き返へり  利水
煙突にサンタ夢見し聖夜かな   英仙
靴下に入れるものなき聖夜かな  恵那
鍋底に煤けの厚き十二月     勝
公園のベンチに独り暮の冬    兆弥
鳴く鳥も山に帰るか年の暮    英仙
枇杷咲いて杖はちびたる結願寺  牧羊
ロスの暮粋でいなせな後払い   牧羊

(無点句)
別腹の〆(しめ)の雑炊十二月      恵那
陽は高し縁のいねむりクリスマス 勝
雪降る日思いを寄せるガザの土地 英仙
隣から届けられたる冬至柚子   兆弥
駅前の民を見下ろす聖樹かな   牧羊
以上

さくら句会(第二百三回) 2023年11月27日   

於 桜新町区民集会所

十一月の句会は、六名の参加と二名の欠席投句により兼題の「鍋」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。

【参加者】恵那、広、勝、まもる、雪子、兆弥、【欠席投句】利水、牧羊  欠席:英仙

【四点句】
寒昴ひとりひとりの胸に歌   牧羊
残り蚊を片手で払ふ庭手入れ   勝

【三点句】
三島忌や右向け右に左向く   恵那
あんこうのまだ威張りをる鍋の底   勝
初雪や今日の町家の片泊   雪子
星の降り葉先に宿るけさの露   勝
黄落や余白のやうに日の過ぎて   雪子

【二点句】
熊の皮敷かれし炉端きのこ鍋   雪子
数えつつ分ける母さんおでん鍋   牧羊
空欄の終活ノート年暮るる   広
冬うらら夜叉も菩薩の如くなり   利水
園児らにつられ手を挙ぐ冬日和   恵那
肝肥えて鍋は大盛り大洗   牧羊
寄鍋をかこむ同期の腕のしわ   恵那

【一点句】
ながらへて友らと囲む鮟鱇鍋   まもる
鍋焼きを仕切るもみじ手孫奉行   利水
淡き日にはつかに開く冬桜   まもる
家路急く頬に冷たき初時雨   まもる
日照の伸びにすがりし冬至かな 利水

【無点句】
ライトアップされし樹々や冬の暮   兆弥
はらはらと木の葉触れ合ふ冬日和   兆弥
牛鍋のあふれるばかり野菜かな   兆弥
寄鍋や今夜は野菜たっぷりと   利水
デイホームの迎へのバスや冬日和 広

【お知らせ】
十二月二十五日(月)十三時から桜新町区民集会所第一会議室で開催します。
十二月の兼題は「クリスマス・聖夜など」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当季雑詠です。

さくら句会(第202回) 2023年10月23日 (通信句会)            

10月の句会は、9名のメール及び葉書による投句により兼題の「冬隣」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。
【参加者】恵那、広、牧羊、勝、まもる、雪子、利水、英仙、兆弥

【五点句】
三年味噌ならぶ朝市冬近し     雪子

【四点句】
惜しまれし人ふと消えて冬隣   恵那
枕から日向のにほひ冬隣 牧羊
コンビニに貰ふ熱湯夜食の子    雪子
欅の葉通す日差しや冬隣      兆弥
山門は風の入り口乱れ萩       勝
  
【三点句】
中華街湯気もうもうと冬隣          まもる
すれちがふ袖にこぼるる萩の花        まもる
フェリーに見る大佐渡小佐渡鳥渡る      雪子

【二点句】
年内の日取りやりくり冬隣        牧羊

【一点句】
冬蝶に従いて見つけり残り菊          勝
行秋や長靴大小並ぶ土間      牧羊
南天の実紅く濡れをる夜明かな    広
泉岳寺袴を着けて木の実落つ         兆弥
水引や路肩にしのぶ秋の色        勝
秋冷に誘はれ肌をさらしけり       利水
鳥騒ぐつるべ落としや冬隣       英仙
街路樹に伐採の札冬隣     広

【無点句】
庭園の刈り込む先や冬隣     利水
熟柿となるには遠きわが身かな       利水
秋に逝く吾はまだ燃え続けたし        恵那
秋晴れやガンバレガンバレ白組      恵那
時季外れ外套被りて揚花火         英仙
煌めきやゆらゆら漂う初島よ        英仙
十月の花火夜空にどんと散る       広
隅田川船にてのぼり秋惜しむ          まもる
実を固く椿の蕾冬近し            兆弥

【お知らせ】
十一月二十七日(月)十三時から桜新町区民集会所第一会議室で開催します。
十一月の兼題は「鍋」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当季雑詠です。

さくら句会(第二百一回)2023年9月25日 通信句会

九月の句会は、九名のメール及び葉書による投句により兼題の「新米」、「今年米」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。
【参加者】恵那、雪子、広、牧羊、勝、まもる、利水、兆弥、英仙

【お知らせ】
十月の兼題は「冬隣」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当季雑詠です。
十月の句会は十月二十三日(月)午後一時から三時まで桜新町区民集会場二階第一会議室で開催します。

(五点句)
父母の墓遠くにありて秋彼岸    兆弥

(四点句)
迷蝶の骸掃き寄す野分あけ    雪子
新米来稲ひと掴み添えられて    雪子
走り根にこぼれて香る葛の花   まもる

( 三点句)
新米の粥を朝餉に越の宿     まもる
名月や街の和菓子屋店を閉じ    兆弥

( 二点句)
百の田の一枚となり今年米     利水
秋暑し藻屑漂う船溜   勝
長崎へ『沈黙』持ちて秋の旅    牧羊
七夕や百まで元気と夫の文字   雪子
秋旱日本語聞こえぬ浅草寺   恵那

(一点句)
新米をふんわり握る夫の昼     恵那
さびしくて蓑虫顔をのぞかせる  まもる
長袖か半袖か悩む秋彼岸      英仙
季移り化粧変へたる百日紅     利水
秋の蝶終の拠りどこ探しをり  勝

( 無点句)
携帯ファンの離せぬ残暑かな   恵那
移住者の顔ほころびて今年米    牧羊
おしゃべりな祖母は少女期震災忌  牧羊
コロナ禍と残暑の牢の独居かな   利水
この円高失政なるぞ秋の雨    広
茹だる日もぴったり止る立秋の朝  英仙
粒々のきらりと光る新米かな    英仙
新米や 白く輝き膳の上       兆弥

さくら句会(第200回)  令和5年8月28日(月)

於 桜新町区民集会場2階第一会議室-
八月の句会は、七名の参加と一名の欠席投句により兼題の「蜩」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。
披講:榎並恵那
【参加者】恵那、雪子、勝、まもる、広、兆弥、牧羊 【投句参加】英仙(計八名)
【お知らせ】九月の兼題は「新米」「今年米」「新糯」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当季雑詠です。
九月の句会は九月二十五日(月)午後一時から三時まで桜新町区民集会場二階第二会議室で開催します。

(三点句)
噓つきしわが顔照らすいなびかり            まもる
薬膳の熱き汁吸ふ酷暑かな                     まもる
かなかなの声に夕闇流れ初む                     まもる
老の手のしぐさ艶めく盆踊                      雪子
夕ひぐらし釣舟沖へ漕出しぬ                     雪子
蜩やバリカンで刈る禿げ頭                      恵那

( 二点句)
季節はボーダーレスかなかなかな                   恵那
鱧買えば里の港は入日影                       牧羊
潮騒の畳に寄せし肘枕                         牧羊
目を閉じてなを迫り来る蝉の声                     兆弥
横柄に瓢箪二本揺れてをり                       勝

(一点句)
鈴虫の合唱聴きつつ眠り入る                     英仙
芝野行く雲踏むごとく天高し                      広
玄関先無花果(いちじく)熟るる小家かな                     広
青空に仁王の如く雲の峰                       兆弥
コンビニに白湯買ふ朝や鰯雲                      雪子
うす紅し老女浴衣の気取り舞ひ                     勝
ひぐらしの寂の声なし首タオル                     勝

( 無点句)
ひぐらしや通り雨止む夕日かな                     英仙
紅葉見や仰ぐ人々かがやかす                     英仙
かなかなや大根炊いて夕餉とす                     広
秋の空何を食おうか上の空                       恵那
いっせいに蜩鳴き出す神の森                     兆弥
無縁坂下りて蜩かすれけり                       牧羊

以上

さくら句会(第199回)   令和5年7月24日(月) 

於;桜新町区民集会場2階第一会議室
七月の句会は、七名の参加と二名の欠席投句により兼題の「トマト」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。
披講:榎並恵那
【参加者】恵那、雪子、勝、まもる、広、兆弥、牧羊、(投句参加)利水、英仙(合計九名)
【お知らせ】八月の兼題は「蜩」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当季雑詠です。
八月の句会は八月二十八日(月)午後一時から三時まで桜新町区民集会場二階第一会議室で開催します。

( 五点句)
野路行けば蕃茄浮かべる井戸の水   広

( 四点句)
水撒きてグランド匂ふ試合前   まもる

(三点句)
はたた神免れがたき運不運    広
燃え盛る北半球や熟れトマト   英仙
夏風邪やとまとひとつを夕餉とし  雪子
やませ吹く座敷童の去りし宿   雪子

( 二点句)
どの窓もバスクの自治旗雲の峰  雪子
祭り笛とぎれとぎれに誘ひをり  利水
ビブラフォンのスローなブルー星凉し  勝
風鈴や路地を見回る猫の耳    牧羊

(一点句)
少年のもやもやに噛る青トマト  勝
ジジババを見下ろしゆらり黒揚羽   恵那
天の川三途の渡しは定員制    恵那
待ちきれぬ一番蝉やけさ三声   勝
迷い蚊よ気儘な睡邪魔するな   広
とりあえず生中冷しトマトかな  恵那

( 無点句)
朝食に摘むベランダのミニトマト  まもる
咲きそめし朝顔ひとつ湖の碧   まもる
陽炎の中に揺らめく焼野原     英仙
漁火に浮かぶ鵜飼も遠くになり   英仙
遠い日のトマトの味は青臭し    兆弥
盛り野菜ルージュのごときトマトかな  利水
炎熱を窓越しに見る怖さかな    利水
風なくて出る気失ふ猛暑かな    兆弥
向日葵や背の丈越へて咲きにけり  兆弥
少年の肩皮むけて噛むトマト    牧羊
湘南やハイビスカスと揺れる腰   牧羊
以上

さくら句会(第198回)令和5年6月26日(月)  

於 桜新町区民集会場2階第一会議室
6月の句会は、6名の参加と3名の欠席投句により兼題の「祭」1句と自由句2句を持ち寄り行われました。
披講 榎並恵那
【参加者】 恵那、雪子、勝、まもる、牧羊、兆弥、(投句参加)広、利水、英仙(九名)
【お知らせ】 7月の兼題は「トマト」、投句は3句、内1句は兼題句、2句は当季雑詠です。
7月の句会は7月24日(月)午後1時から3時まで桜新町区民集会場二階第一会議室で開催します。

(四点句)
新緑やダムのほとりの殉職碑 雪子

(三点句)
花漆佐渡に消ゑゆく能舞台 雪子
汗拭くや漢字の読めぬ書道展  広
百歳の宮司をよけし祭客   牧羊

(二点句)
樹の匂ひ土の匂ひや梅雨の森  まもる
練り歩く神輿の勢祭足袋   広
夏浅しあしたの色はあかね色  恵那
音の無く藤に雨打つ日なりけり  勝
閉店す馴染の風呂屋姫女苑  広
窓開けて祭太鼓を確と聞く  まもる
青嵐刈られた土手のいさぎよさ  牧羊

(一点句)
シャボン玉踏む幼児のダンスかな  牧羊
娘らのもも頼しや神輿練る  まもる
岡山の具入り乱るる祭り寿司  兆弥
炎天下濃いも薄いも凛と咲き  利水
掛け声と神輿担ぎの汗光る  英仙
夏祭カランコロンと影三つ  恵那
七月の吐息は無色若旦那  恵那
火祭りや戸を開け放つ御師の家  雪子
さくらんぼ白磁と肌を競ひけり  利水

(無点句)
子かまきり一丁前に斧かざす  まもる
滴りの三つほど聴きて襟開ける  勝
梅雨晴間猫樹にすがり爪をとぐ  兆弥
掛け声や江戸の祭りに想ひ馳せ  利水
紫陽花のそこかしこで咲き乱れ  英仙
句作りの遅々と進まぬ蝸牛  英仙
自転車を漕げば広がる著莪の花  兆弥
以上

さくら句会(第197回)令和5年5月22日(月)   

於 桜新町区民集会場2階第一会議室
五月の句会は、五名の参加と四名の欠席投句により兼題の「更衣」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。               披講 榎並恵那(俳号・恵那)

【参加者】 勝、まもる、雪子、兆弥、恵那、【投句参加】牧羊、ひろし、利水、英仙(九名)
【お知らせ】
六月の兼題は「祭り」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当期雑詠です。
六月の句会は六月二十六日(月)午後一時から三時まで桜新町区民集会場二階第一会議室で開催します。

(三点句)
木漏れ日の光の中の若葉かな      兆弥
瀧音のいよ高まりて霊気満つ      利水
子燕の口みなまろく押し合へり     まもる
衣替えて足どり軽く小買物       まもる
襟抜ける風まだ寒し衣替        雪子

(二点句)
藍色のシャツの風合ひ江戸風鈴     ひろし
更衣白きセーラー服駅に        ひろし
鶯やひとり降り立つ小海線       牧羊
女子生徒脱皮もかくやの衣替      利水
紫陽花やだまして使ふポンプ井戸    まもる

(一点句)
衣更つんと冷たき雨合羽        牧羊
キープする長袖二枚更衣        恵那
廃線のトンネル長しほととぎす     雪子
更衣パナマ帽子もブラシせり      勝
庭園の明治を今に薔薇の花       利水
生垣に薔薇咲き誇る空家かな      ひろし
キャンパスの川に鴛クラーク像     牧羊
袖口で拭う落梅夏夕          雪子
誓い合ふ平和公園五月雨        勝
野苺や小さきルビーの色になり     兆弥

(無点句)
立夏にひっそり佇む龍神様       英仙
更衣選ぶ着物の肌触り         兆弥
衣替替えた翌日肌寒し         英仙
麦秋や緑に黄色足してみる       恵那
川風の裾ほころぼす五月場所      勝
鼻緒擦れ明日はきっとハナチラシ    恵那
絶品かな台湾刺身の筍よ        英仙
以上

さくら句会(第196回)令和5年4月24日(月) 

四月の句会は、七名の参加と二名の欠席投句により兼題の「春風」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。

於 桜新町区民集会場2階第一会議室        披講 矢後勝洋(俳号・広)
【参加者】 広、勝、まもる、雪子、利水、牧羊、兆弥、  投句参加・恵那、英仙(九名)

五 春風や杖に小さき鈴つけて          雪子

四 ひと粒の命ありたる蜆かな          兆弥

三 春風や大腿四頭筋ほぐす           恵那

二 春の雷季の候告げて去りにけり        利水
二 木の花の降る音しきり画帳閉ず        勝
二 店先にならぶ竹の子たけくらべ        勝
二 眺望広場を吹き抜く春の風          英仙
二 春風や応援団の校旗立つ           広
二 逃げ水に映りては消ゆ富士の影       まもる
二 緞帳の下りて銀座や春の風          勝
二 身ひとつで生きる外国リラの冷        広

一 指握る小さきてのひら春おぼろ       恵那
一 春風やヨガの瞑想香に惑ふ         利水
一 行く春や門出の孫の背高し         利水
一 花合歓の大きな木かげ子は母に       雪子
一 夢心地リフト吊り上げ湯に浸かる      英仙
一 伊勢参り白石探す河原かな         恵那
一 若葉して誰にも会はぬ四日間        雪子
一 釣り人の肩を撫でゆく春の風        兆弥
一 春風に孔雀が大き羽根開く         まもる

西日濃し買い物袋持ち重いり        広
御誕生賀す出開帳駅のそば         牧羊
駅までをまはり道する桜かな        まもる
春暁やよちよち歩む雀の子         兆弥
春風や三十年ぶりの同窓会         英仙
春風や校門めざすギプスの子        牧羊
春めいて移住しますのメールかな      牧羊

五月の兼題は「衣更」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当期雑詠です。
五月の句会は五月二十二日(月)午後一時から三時まで桜新町区民集会場二階第一会議室で開催します。

さくら句会(第百九十五回)令和五年三月二十八日(通信句会)   

三月の句会は、九名により兼題の「風光る」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。

参加者:恵那、広、勝、まもる、雪子、利水、英仙(選句は欠席)、兆弥、牧羊(9名)

七 橋の名に残る村の名花の雨      雪子

四 書を持てる松陰座像風光る      まもる
四 雀の子もの言いたげに寄りきたる   まもる
四 桜蕊ほろひて仕舞ふ車椅子      雪子

三 白壁に影はやはらか春隣       牧羊
三 大鳥居仰ぐ金髪風光る        利水
三 春場所や地元力士の旗の波      利水 

二 わが町より消ゆる()茶店(ちゃみせ)暮の春    広
二 青天や梅の白さが拡散す       恵那
二 梅の香や声明(しょうみょう)響く伽藍堂      恵那
二 恋の花とミモザを詠みし頃ありき   勝
二 駅頭の袴の乙女風光る        牧羊

一 合格のお礼の絵馬の大きかり     まもる
一 おさな児の相撲に興ず土の春     勝

遠のくや焦がれて待つ花見会     英仙
ベランダの向うの森も風光る     英仙
ごくごくと雨を飲み干す初桜     英仙
そびえ立つ欅の樹々や風光る     兆弥
鉢植えの椿の蕾ほころびる      兆弥
朝焼けの空を染めたる珊瑚色     兆弥
幼子の無心の遊戯風光る       広
風光る白樺の山のドライブ      広
五分咲きの桜も愛でる散歩かな    利水
風光る若者みな眩しけり       恵那
風光る修繕終へし奥の院       雪子
ハイヒール袴すがたや風ひかる    勝 
蛇穴を出て新レッスンに挑む     牧羊

四月の兼題は「春風」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当期雑詠です。
四月の句会は四月二十四日(月)十二時三十分から十四時三十分桜新町区民集会場二階第一会議室で開催します。

さくら句会(第百九十四回)令和五年二月二十七日(通信句会)

二月の句会は、九名により兼題の「囀」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。

参加者:雪子、恵那、広、勝、まもる、利水、英仙、兆弥、牧羊(九名)

七 春遅々と動くともなき観覧車     まもる

五 梅真白やさしき嘘をつき通す     雪子

四 己が名に耳欹てし子猫かな      雪子
四 雪解けを待てぬ囀りけさの庭     勝
四 黒猫の金の目うるみ恋を鳴く     勝

三 火酒入のカクテル甘し春の宵     広
三 囀や岸辺の小さき喫茶店       広
三 筆を置き甘茶啜りの昼下がり     英仙
三 型紙を取る丸い背や寒に入る     牧羊

二 つまづきていちばん寒い日となりぬ  勝
二 囀や大樹の下に開く句座       雪子

一 壁掛けの猿面マスク置き場は一過性  恵那
一 勲章並ぶ軍服の胸霾曇        広
一 囀にピアノの音も静まれり      利水
一 春を待つ門扉のペンキ塗り替へて   まもる
一 母の雛見ず育ちけり三兄弟      牧羊

暗がりの囀りどうも二羽らしい    恵那
老眼鏡の度数ましまし冬ざれる    恵那
目覚めたら遠き近きも囀れり     英仙
祝いの日昼まで起きぬ朝寝かな    英仙
待たるるや首尾や如何にと猫の恋   利水
紅と香の美女の集ひや梅林      利水
賑やかな児らの囀り保育園      兆弥
水温む岸辺の草も色づきぬ      兆弥
寒明けと云えども風の強さかな    兆弥
ティショット打たんとすれば囀れり  まもる
囀や大井町線通る森         牧羊

三月の兼題は「風光る」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当期雑詠です。
三月の句会は三月二十七日(月)締め切りの通信句会です。

さくら句会(第百九十三回)令和五年一月二十三日(通信句会)

一月の句会は、九名により兼題の「初景色」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。

参加者:雪子、恵那、広、勝、まもる、利水、英仙、兆弥、牧羊(九名)

六 十三で嫁ぎし祖母や木の実独楽    雪子

四 枝移るりすが手を揉む寒の入     まもる
四 多摩川の空に鳶舞ふ初景色      まもる
四 凍裂の音鳴りやまぬ真夜の森     広

三 飴切の音にせかれる厄払い      勝
三 伸びやかな中州に馴れし残り鷺    牧羊

二 多摩川の中州伸びやか初景色     牧羊
二 シード権シード権をと三日かな    牧羊
二 樹々の間を抜けて輝く初日の出    兆弥
二 福寿草咲く良き言葉生れしごと    雪子
二 高階より明け行く富士嶺初景色    広
二 石垣の隙にはこべら早も萌え     まもる
二 肩上げの孫の三つ指初景色      勝
二 老々の新年会や数五人        利水

一 日の出待つ人の笑顔や初景色    兆弥
一 初景色妻の入歯が餅を食む     恵那
一 二月尽めでたし後期高齢者     恵那
一 新春も一句浮かばぬ夜更けかな   英仙
一 つくり笑み遠挨拶や松の内     勝

川沿に増えしマンション初景色   雪子
初空や雲ひとつなく青深く     兆弥
寒暁や心肺鍛え疾く歩め      広
初晴れや児の重さで知る我が齢   恵那
登り来て独り占めなる初景色    利水
初春や鎮守の森に神おわす     利水
締切が迫りて焦る旧正月      英仙
揉み捨てしメモの束や初景色    英仙

二月の兼題は「囀(さえずり)」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当期雑詠です。
二月の句会は二月二十七日(月)締め切りの通信句会です。

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