さくら句会(第百九十四回)令和五年二月二十七日(通信句会)
二月の句会は、九名により兼題の「囀」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。
参加者:雪子、恵那、広、勝、まもる、利水、英仙、兆弥、牧羊(九名)
七 春遅々と動くともなき観覧車 まもる
五 梅真白やさしき嘘をつき通す 雪子
四 己が名に耳欹てし子猫かな 雪子
四 雪解けを待てぬ囀りけさの庭 勝
四 黒猫の金の目うるみ恋を鳴く 勝
三 火酒入のカクテル甘し春の宵 広
三 囀や岸辺の小さき喫茶店 広
三 筆を置き甘茶啜りの昼下がり 英仙
三 型紙を取る丸い背や寒に入る 牧羊
二 つまづきていちばん寒い日となりぬ 勝
二 囀や大樹の下に開く句座 雪子
一 壁掛けの猿面マスク置き場は一過性 恵那
一 勲章並ぶ軍服の胸霾曇 広
一 囀にピアノの音も静まれり 利水
一 春を待つ門扉のペンキ塗り替へて まもる
一 母の雛見ず育ちけり三兄弟 牧羊
暗がりの囀りどうも二羽らしい 恵那
老眼鏡の度数ましまし冬ざれる 恵那
目覚めたら遠き近きも囀れり 英仙
祝いの日昼まで起きぬ朝寝かな 英仙
待たるるや首尾や如何にと猫の恋 利水
紅と香の美女の集ひや梅林 利水
賑やかな児らの囀り保育園 兆弥
水温む岸辺の草も色づきぬ 兆弥
寒明けと云えども風の強さかな 兆弥
ティショット打たんとすれば囀れり まもる
囀や大井町線通る森 牧羊
三月の兼題は「風光る」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当期雑詠です。
三月の句会は三月二十七日(月)締め切りの通信句会です。
さくら句会(第百九十三回)令和五年一月二十三日(通信句会)
一月の句会は、九名により兼題の「初景色」一句と自由句二句を持ち寄り行われました。
参加者:雪子、恵那、広、勝、まもる、利水、英仙、兆弥、牧羊(九名)
六 十三で嫁ぎし祖母や木の実独楽 雪子
四 枝移るりすが手を揉む寒の入 まもる
四 多摩川の空に鳶舞ふ初景色 まもる
四 凍裂の音鳴りやまぬ真夜の森 広
三 飴切の音にせかれる厄払い 勝
三 伸びやかな中州に馴れし残り鷺 牧羊
二 多摩川の中州伸びやか初景色 牧羊
二 シード権シード権をと三日かな 牧羊
二 樹々の間を抜けて輝く初日の出 兆弥
二 福寿草咲く良き言葉生れしごと 雪子
二 高階より明け行く富士嶺初景色 広
二 石垣の隙にはこべら早も萌え まもる
二 肩上げの孫の三つ指初景色 勝
二 老々の新年会や数五人 利水
一 日の出待つ人の笑顔や初景色 兆弥
一 初景色妻の入歯が餅を食む 恵那
一 二月尽めでたし後期高齢者 恵那
一 新春も一句浮かばぬ夜更けかな 英仙
一 つくり笑み遠挨拶や松の内 勝
川沿に増えしマンション初景色 雪子
初空や雲ひとつなく青深く 兆弥
寒暁や心肺鍛え疾く歩め 広
初晴れや児の重さで知る我が齢 恵那
登り来て独り占めなる初景色 利水
初春や鎮守の森に神おわす 利水
締切が迫りて焦る旧正月 英仙
揉み捨てしメモの束や初景色 英仙
二月の兼題は「囀(さえずり)」、投句は三句、内一句は兼題句、二句は当期雑詠です。
二月の句会は二月二十七日(月)締め切りの通信句会です。